口の中も夏バテに！？唾液の減少に要注意

普段はあまり意識することがないかも知れませんが、唾液には健康を支えるさまざまな働きがあります。健康な成人は1日に約1.0～1.5Lもの唾液を分泌すると言われていますが、唾液の分泌量が減ると体に悪影響を及ぼします。特に夏はたくさん汗をかくため体内の水分量が減ってしまい、それに伴って、唾液の分泌量が減少するため要注意です。今回は、健康な体を守る唾液のさまざまな働きや分泌量を増やす生活習慣について紹介します。

唾液には、どんな働きがあるの？

唾液には、口の中や歯だけでなく体全体の健康を維持するさまざまな働きがあります。それぞれ大切な機能を紹介します。

①食べ物の消化を助ける　

唾液中に含まれる消化酵素「アミラーゼ」は、食べ物に含まれるデンプンを分解し胃で消化しやすい状態にします。よく噛むことで食べ物と唾液が混ざり消化を助けます。

②口の中を清潔に保つ・虫歯を防ぐ　

唾液は、口の中の食べカスや汚れを洗い流す働きがあり、口腔内をキレイにして虫歯や歯周病、口臭を防ぎます。食後、口の中は虫歯菌がつくる酸で「酸性」になります。口の中が酸性になるほど虫歯のリスクは高まりますが、唾液にはその酸を中和して中性に戻す働きがあります。また、カルシウムやリンなどのミネラルを豊富に含む唾液は、虫歯菌の酸で溶けだしたエナメル質を修復する機能も備わっています。これらの働きにより、大切な歯を虫歯リスクから守ってくれています。

③細菌が体の中に入るのを防ぐ　

体内の出入口である口からは、さまざまな細菌やウイルスが入り込もうとします。その免疫を担っているのが唾液です。唾液には、IgA（免疫グロブリン）をはじめ、ラクトフェリンやリゾチーム、ペルオキシターゼなど１０種類以上の免疫物質や酵素が含まれており、それらが細菌やウイルスから体を守ってくれています。

唾液が減る原因とは

唾液は「しっかり噛む」ことで分泌されます。早食いや、やわらかい食事ばかりでは噛む回数が減り十分な唾液量が得られません。また、加齢によって口周りの筋肉が衰えたり、ホルモンバランスが崩れると唾液が出にくくなってしまいます。その他にも、口呼吸による口腔内の乾燥をはじめ、ストレスや不規則な生活習慣による自律神経の乱れ、喫煙、過度な飲酒なども唾液の減少を引き起こす原因になります。また、汗をたくさんかく夏は体内の水分量が減るため、唾液の分泌量が減少してしまいます。